最強の保護制度

見た - クローズアップ現代「放送ランキング依存が止まらない〜出版不況の裏側〜」CommentsAdd Star

日本の出版の構造的不幸が延々とピックアップされてたけど、不思議なのは、そんなに業界構造に問題があるのに、出版業界の再編ってあまり起きないよね。

はてなブックマークのコメントに書こうかと思ったけど、エントリーを立ててみる。
まあ、音羽や一ツ橋のように一見別会社でも実は同系列でしたという場合もあるけど、それはおいといて。


出版社の業界再編が起きないのは再販制度が如何に強力な業界保護制度であるかということかな。売れる商品でも売れない商品でも同じだけのマージンが見込めるから、規模を拡大するメリットが無い。ハルヒが300万部売れた場合と、ゼロ魔かのこん神様家族がそれぞれ100万部売れた場合で出版社の利益は同じになるわけで*1。出版社の固定費は一部の在庫を除けば編集者の人件費くらいだから、当たればそれなりに大もうけできる。静山社のように。


もちろん、規模を拡大してヒット作を多数抱えることで、当たり外れの波を小さくする(スクエニ戦略)も可能だけど、書籍の場合、ヒット作の山がそこまで高くないうえ、単価が低いから結局のところそれなりのラインナップを揃える必要が出てくる。じゃあ、規模を拡大しなくてもあまりかわりなくね?となってるような。


ただ、今後はどうだろ?金ヅルだった雑誌が売れなくなってるから、雑誌で喰ってた一定規模以上の出版社は合併で編集者を合理化、専門書中心の零細出版社はもともとあまり編集者がいないからそのまま、という感じで二極化するかな。ありきたりな結論だけどね〜。


自己リンク -> 出版再生?

*1:厳密には単価とマージン率が異なれば違うし、出版点数が増えれば編集関連費用が余計にかかるけどね。